今回は、中学生の子供に円高と円安の違いを尋ねられて、あらためて整理してみたので、この機会に備忘録として書いてみようと思います。
【円高・円安とは決まった価格はありません】
まず、円高円安に決まった価格はありません。
100円になったら円高とか200円になったので今から円安などという決まった基準値がないということですね。
1年前、半年前、3ヶ月前、1ヶ月前、10日前、3日前、1日前、5分前と比べて円高であるとか円安であるとか以前の価格と比較して言っているわけです。
では、その比較する以前の日時はどう決めているのかと言うと、その人次第であり、話している内容次第です。
話している内容で1日前と比べている時もあれば、違う時には1年前と比べている事があるのです。
誰かと話していて、比較日が違うので話がかみ合わないことも良くあります。
ちなみにアベノミクスが始まる前の2012年一年間の平均は1ドル80円前後だったものが、2017年5月現在1ドル113円になりましたので、5年前と比べれば明らかに円安ですね。
ところが、半年まえの2016年12月の一ヶ月平均と比べると、12月が1ドル115円で現在は1ドル113円なので若干の円高ということになります。
このように、同じ1ドル113円でもいつと比較するかによって正反対の結果になるということなのです。
【1ドルを200円で手に入れるか、100円で手に入れるかの違いです】
円高とは簡単に言うと、海外からものを買う時に200円で買っていたものが、100円で買えるようになることです。
円安とは簡単に言うと、海外からものを買う時に100円で買っていたものが、200円も払わないと買えないということです。
要するに円高は海外からものを安く買えます。
円安だと海外からものを高く買わないといけないということです。
【実際は逆です】
200円と100円を比べると、200円の方が高いので円高と呼べれば分かりやすいのですが、実際は逆です。
1ドル100円の時が円高で1ドル200円の時が円安です。
【たとえばアップルのiPhoneを買うとすると・・・】
たとえば、アメリカのアップルが売っているiPhoneを仮に1,000ドルで買ったとします。
(海外との取引はアメリカドルでの支払いがメインですので、売買価格はドルになることが大半です。基軸通貨と言うやつですね。)
1,000ドルのiPhone 円高だと1ドルの価値は100円 ⇒ 1,000ドルのiPhoneを10万円しか出さずに買えるから ⇒ 円の価値が高い
1,000ドルのiPhone 円安だと1ドルの価値は200円 ⇒ 1,000ドルのiPhoneを20万円もかけて買うから ⇒ 円の価値が低い
価値が低いということは価値が安いということです。
価値の低いもので何かと交換するためには、たくさん払わないといけませんね。
【たとえばトヨタのプリウスを売るとすると・・・】
・・・と、これまでは、輸入する立場で見てきました。
今度はもう一つの立場、輸出する目線で見てみましょう。
たとえば、日本で作ったプリウスをトヨタが仮にアメリカの販売会社へ1万ドルで売るとします。
(これも基軸通貨がアメリカドルなので、ドルで払ってもらうことになります。)
代金1万ドルをもらったら、日本円に換算します。
1万ドルのプリウス 円高だと1ドルの価値は100円 ⇒ 1万ドルのプリウスを売っても100万円しかもらえない ⇒ ドルの価値が低い
1万ドルのプリウス 円安だと1ドルの価値は200円 ⇒ 1万ドルのプリウスを売ったら200万円ももらえることになる ⇒ ドルの価値が高い
さっきのiPhoneを輸入した時とまったく逆の結果になってしまうんです。
なぜかと言うと円とドルの立場が輸出と輸入で入れ替わってしまうからなんですね。
アメリカの販売会社にすれば、円高だろうが円安だろうが1万ドルを払うだけなので、為替の変動で一喜一憂するのは日本側だけということになります。
だから本当は日本円で価格を決められるのが一番良いんですね。
元に話を戻しますと・・・
輸入して買う立場の時は円高の方が安く済みます ⇒ 円の価値が高いのでちょっと払えばすむ。
輸出して買ってもらう立場の時は円安の方がたくさんもらえます ⇒ ドルの価値が高いので、円に換金するとたくさんもらえる。
【1ドル札を商品に見立てて・・・】
「円なら価値が高いので100円も出してくれたら1ドル札と交換しますよ」というのが円高で、
「円は価値が低いから200円出さないと1ドル札に交換できないなあ」と言うのが円安です。
円の価値が高いから円高で、価値が安いから円安ということなのですね。
以上で、円高円安についての僕のまとめを終わります。
上記の例で出てきたiPhoneやプリウスの価格はあくまで僕の想像の産物であり、商品名が有った方が分かりやすいと思った為のフィクションですので、誤解無きよう、ご理解のほどお願い申し上げます。
それにしても、分かっているつもりだったことを文章にするのは、なんと難しいことか・・・。
また、機会が有ればそこらへんも交えて書いてみたいと思います。
本当は、日本の経済状況などもからめて書かないと行けないところですが、今回は純粋に円高円安に絞ってみました。
自分の語彙の少なさや、文才の無さを再認識して呆れるばかりです。
こんな僕の備忘録に最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。